天文カレッジ 第3期講座 第3回 活動報告

宇宙の広がりを知る時代〜相対性理論から最新天文学へ〜  2014年3月12日(水)

 天文カレッジでは、星空の見方や最新の宇宙の話題など、いろいろなテーマを取り上げています。今回の第3期講座では、天文学の大きな転機となった発見とそれに関する論争を切り口に、どのように宇宙への理解が深まっていったかをご紹介しました。

 今回が最終となる第3回目の講座でした。前回は、銀河の後退速度と距離の測定から、ハッブルの法則を発見したところまでを紹介しました。今回は、まずはじめに、前回のおさらいということで、光のお話をしました。色の違いは波長の違いによることや、目で見えない光として電波や赤外線など、さまざまな光(電磁波)があることを紹介しました。

 続いて、宇宙論を紹介するうえで、重要になるアインシュタインの相対性理論のお話をしました。想像することがなかなか難しい現象ですが、みなさんメモを取られながら一生懸命に話を聞いていました。


 その後、原子の世界の解明が進み、ビッグバン理論が提唱され、同時に定常宇宙モデルも提唱され、論争が始まりました。どちらも一歩も譲らない中、宇宙の年齢の訂正や、星の中でも元素合成が解明され、ビッグバン理論が少しずつ有利に働きます。そして、電波天文学という新しい分野が確立していくなか、宇宙マイクロ波背景放射が確認され、ビッグバン理論の大きな証拠となりました。
 1900年代になり、COBE衛星の打ち上げによって、この宇宙マイクロ波背景放射から小さなゆらぎがあることがわかり、銀河や星の形成を解明するうえで大きなカギを手に入れたのです。今回の講義では、ここまでお話をしましたが、現在ではインフレーション理論や、WMAP衛星、プランク衛星による最新の観測結果など、どんどんと宇宙の始まりについての解明が進んでいるところです。


 3回にわたって、論争と発見から見る天文学の歴史を紹介しました。たくさんの論争と発見があり、それに関わる天文学者もたくさん紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか。また、来年度も違うテーマで天文カレッジの開講を予定しておりますので、ぜひご参加ください!