天文カレッジ 第3期講座 第4回 活動報告

素粒子と宇宙の姿 2016年3月16日(水)

 天文カレッジ第3期講座の第4回目は、素粒子と宇宙のつながりについて紹介しました。

 

 前半は、素粒子の概念について紹介しました。素粒子とはこれ以上分割できない最小の粒子のことで、今でこそ、素粒子と言えば原子よりも小さいニュートリノや電子などを想像します。しかし、昔の人の素粒子の定義は違っていました。例えば紀元前は、火、水、空気、土でこの世はできている四元素説が信じらていました。そして長い年月を経て、19世紀には周期表でお馴染みの原子を素粒子とし、20世紀に入ってようやく現在の考えに至りました。

 この素粒子の歴史的な変遷について、発見方法や人物について解説するとともに、素粒子の特徴についても触れました。素粒子の物理は、日常起こる現象とかけ離れた振る舞いをするのでイメージしにくい分野ですが、受講者の皆さんは、興味を持って聴講していました。


 後半は、素粒子と宇宙をテーマに、ノーベル賞を受賞した学者とその内容について紹介しました。太陽の核融合や超新星爆発で生成されたニュートリノの検出、宇宙初期に質量を与えたとされるヒッグス粒子の発見、ニュートリノの振動から質量があることを検証した内容が、それぞれ本テーマの授賞理由となります。いずれの場合も今世紀に受賞しており、素粒子と宇宙の関わりは、まだまだ開発途上の新しい学問と言えます。

 講座の終盤では、これから建設される、素粒子を発見する施設「国際リニアコライダー」について紹介しました。24カ国が協力するこの一大プロジェクトで、宇宙初期の物質の状態などを、より詳細に調べる予定です。この施設の建設有力候補地は東北地方であり、身近で最新の研究を行う可能性があることを、受講者の皆さんに感じていただきました。


 今回で、第3期講座は終了です。ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。