開催報告

2002/08/06


 平成14年8月1日(木)と2日(金) 20階多目的研修室にて、博物館連携促進事業として科学活動指導者研修講座を開催しました。
 博物館連携促進事業とは、東京・上野にある国立科学博物館が地方の科学館と共同で、地域の科学活動指導者を対象に研修講座を行っているもので、今年度は郡山市ふれあい科学館が共催することになりました。
 研修には、郡山市内外の中学校と高校の理科の先生方、計33名にご参加いただきました。 また講師として国立科学博物館から教育普及官2名をお迎えし、指導にあたっていただきました。
 先生たちも楽しみながら実技を体験し、有意義な研修講座とすることができました。

【第1日 化石のレプリカ作り】

 参加者は、それぞれアンモナイトか三葉虫、どちらかの化石のレプリカを製作することになりました。

 まずは化石の型を取ります。化石を粘土に固定する作業にみなさん手間取っているようでしたが、講師の先生は見事な手さばきで粘土の台を作っていきました。

 粘土に固定した化石のまわりに枠を立て、シリコーンゴムに触媒を加えたものを流し込み、しばらく固まるのを待ちます。
 うまく固まるかどうか、ちょっと心配ですね。

 できあがった型に、ポリウレタン樹脂を流し込みます。数分経って固まったらレプリカの完成です。
 みなさん、型取り、レプリカ作り共に成功に終わったようです。

 レプリカができたら、アクリル絵の具で色を着けます。いかに本物そっくりに着色できるかは、芸術的センスの見せどころ?
 みなさん、夢中になって色を塗り重ねていました。

 本格的なレプリカ作りの合間に、簡易レプリカ作りも行いました。
 こちらはお湯に入れると柔らかくなる樹脂を使って、色とりどりのレプリカが簡単に出来るもので、なかなか好評でした。

 こちらは指のレプリカ作りです。
 型は寒天の一種で取りますが、固まるまで約7分間、指を入れたままじっと待たなければなりません。その後、石こうで指のレプリカを作ります。
 石こうで作った指は、授業での指し棒に使えるかも?という声もあり、みなさん自分の指を見て楽しんでいたようです。
【第2日 午前 回折格子を使った分光器作り】

 回折格子シートを使った簡易分光器を作りました。これは、光にかざして穴からのぞくと、光が虹色に分かれて見えます。

 組み立ては、工作用紙を切って貼るだけの簡単な作業でした。先生たちも、生徒に戻って工作していました。

 完成した分光器で、いろいろな光を観察しました。室内の蛍光灯と窓の外の太陽光での見え方の違いを比べました。

 また、野菜や海藻から取った色素も分光器で観察しました。色素によっても見え方が違うんですね。
【第2日 午後 飛ぶ種の模型作り】

 初めに講師の先生から、植物が種を遠くまで飛ばすための工夫についてお話がありました。
 また、色々な種の標本を見たり触ったりして、さらに理解を深めました。

 次に、アルソミトラという植物の種の模型を製作しました。発泡スチロールを薄く切って種の形に切りとり、おもりをつけます。
 発泡スチロールの薄さの限界に挑戦している方が多く見られました。

 種の模型は高いところからそっと落とすとグライダーのように飛んで行きます。
 いかになめらかに遠くまで飛ばせるか、様々な工夫が重ねられ、時間が過ぎるのも忘れるほどでした。
 先生たちは研究熱心なんですね。