【開催報告】

2003/08/03


 郡山市ふれあい科学館では福島大学と連携し、福島県内の小・中学校及び高校の教員向けサイエンスセミナー「暗記から離れるケミストリー」を、平成15年8月1日(金)に開催しました。今回の講師は、福島大学 助教授 大山 大(おおやま だい)先生と同大学教授 小沢 喜仁(おざわ よしひと)先生です。

 当日は、市内外の小中学校および高校の先生方26名が講座に参加し、電気化学に関する講演や教材・ものづくり教室などをとおして、単なる暗記科目ではない「化学」の基礎知識を学んでいただきました。

講演「暗記から離れるケミストリー」

 講師の大山先生から、エネルギーとはどういう概念なのか、また酸化還元反応などの電気化学の基礎知識や、歴史、電池の種類、現在身近なものに利用されている事例などスライドを使って、実験も交えながら話していただきました。
 なかでも次に作成する「燃料電池」の話の中で、現在のエネルギー問題や自然環境破壊の問題等へと話が及ぶと先生方はより一層興味深く先生の話しに聞き入っていました。

教材・ものづくり教室「燃料電池作り」

 教材・ものづくり教室では、今話題の「燃料電池」を身近な材料で作りました。
 まずは電極となる炭素棒を作るため、4Bの鉛筆を削って、芯だけを取り出します。
 途中で芯を折ってしまう先生や、あっという間に芯だけを見事に取り出す先生など黙々と作業に取り組んでいました。

 次に直径1cm、長さ30cmくらいの透明ビニルチューブを2本用意し、それぞれU字型にしてその中に、水酸化ナトリウム水溶液を入れます。

 水酸化ナトリウム水溶液が入った管の中に鉛筆の芯をさしこみ電極とし、その両端に単一電池4本を直列につないだ電池を接続して電流を流します。
 すると水は電気分解されてプラス極には酸素が、マイナス極には水素が発生します。

 その後電池を取り外し、そのかわりに発光ダイオードを接続すると。ダイオードが光ります。
 これは電気分解により発生した水素と酸素が反応し結びついて水になる化学変化がおきるときそのエネルギーが「電気エネルギー」としてあらわれるためです。