【開催報告】

2004/08/07


 郡山市ふれあい科学館では平成16年7月22日(木)に、宮城県桃生郡矢本町にある矢本町立図書館にて,出張ワークショップを開催いたしました。矢本町立図書館は以前より通常の図書館業務に加え、夜間開館、地元の農業への理解増進活動、学校給食作品展、親子を対象とした「おにぎりソムリエ講座」、「手作りぬいぐるみ講座」などの各種講座、ボランティアの積極的な活動による絵本の読み聞かせ会、「ケナフでしおり作り」「リサイクル図書事業」、地元の石巻専修大学からの協力による「里山は海を育てる」展示コーナー設置事業、など地元の密着型の幅広い事業展開をしている図書館です。

 今回の講座は、矢本町立図書館のボランティアグループが中心となって「こどもゆめ基金(独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター)助成活動」の一環として企画されたもので、子どもたちに科学分野の図書に体験を通して興味を持ってもらおうという主旨で開催されました。

 今回、同図書館から共催の依頼を受けましたが、これは当館が取り組んできた地域連携事業の県外版です。図書館と科学館、いったいどんな講座になるのでしょうか?

 まず始めに、矢本町立図書館の浅野 雅信館長より参加者のみなさんへのご挨拶がありました。

 今回の担当者である矢本町立図書館の司書 加藤 孔敬さんから講座の内容についての説明があり、講師紹介が始まりましたが・・・、挨拶代わりに、いきなりブーメランが飛んできました。

 実演を通して、自己紹介と今日の講座の内容説明です。今回の講師は、郡山市ふれあい科学館 事業課の岡田 努と鈴木 典秋です。

 第1部は100年前の糸電話作り。郡山市出身の博物学者 石井 研堂の著書「理科十二ヶ月」で紹介された「弟の送話器」の一文をみんなで読み、当時の材料や作り方を調べました。小麦粉を溶かした糊(のり)を作り(写真左)、竹の切り口を小刀で面取りしたら、障子紙の中央に穴をあけ、糸を通し糊付けします。

 使い慣れないカッターや小刀で竹の面取り作業はみんな初めてです。なかなか上手くできません。紙に穴をあけて糸を通す。この作業も子どもたちにとっては大変難しいようです。


 1時間15分かけてやっと完成。でも意外とよく聞こえて、みんな喜んでいました。他にも長い竹の端に耳を当て、反対側をたたくと音が伝わる実験も試し、100年前の人たちがこのように「音」について子供たちに分かりやすく伝えようとしたことを知りました。

 続いて第2部「ペーパーブーメラン作り」です。講師から厚紙に3種類のブーメランの型紙を印刷されたものが渡されました。「一番飛びそうなのはどれかな?」同じ紙なのに、違いがあるのでしょうか? ペーパーブーメラン作りの際の大きなコツです。

 

 作るのは3枚羽のブーメランです。3枚の羽を、それぞれ120度の角度にとめるのが一苦労です。

 完成後、図書館内では場所が狭いので、表に出て飛ばしました。風も強かったせいか、なかなか上手くブーメランが飛びません。今回は簡単に作れたのに・・・。

 最後は全員で記念撮影です。書かれていないことを体験を通して読み取る。このことが実験や工作では大切なことなのですね。