光の不思議な世界へ
〜反射・屈折の理論紹介〜

2003/05/29


 

 21階展示ゾーンにはワークショップカウンターがあります。そこでは毎月メニューを変えて、科学実験や工作の体験をすることができます。

 今回は6月のメニュー「鏡で光の不思議な世界へ」から鏡を使った光の実験と万華鏡作りを紹介します。実験と物作りにわくわく気分ですね。楽しみながら光の不思議な世界の秘密を探って行きましょう。

 


鏡を使った実験の様子

 まず鏡を使った実験です。3枚の鏡を用意してください。はじめに1枚の鏡で実験しましょう。鏡の前に物を置くと鏡には物が映ります。当たり前な現象ですが、これが光の世界への第一歩なのです。物から出た光が鏡の中に入り光の反射と屈折によって像ができ、その像が私たちの目に届いて物が映って見えるのです。

 次に2枚の鏡を直角に立て、その間に物を置くと今度は鏡の中には3つの像ができて物が4つあるように見えます。面白いことに、この2枚の鏡の角度を変えていくと像の数がどんどん増えて不思議な世界へ引き込まれるような気分になります。角度の大きさと像の数を調べるともっと面白くなります。

 

 最後に鏡を3枚合わせて実験してみましょう。3枚の鏡を三角柱になるように合わせて作ります。その中に物を入れてのぞいてみてください。数え切れないほどの像ができて不思議な模様を作ります。中の物をいろいろ変えると神秘的な夢の世界が広がります。この光の性質をうまく利用しているのが万華鏡なのです。

 鏡の実験で万華鏡の秘密が分かったので万華鏡を作りましょう。市販のキットもありますが身近な物を使って作ります。

 準備する物は鏡3枚(ポリカーボネイトミラー)、フィルムケース、黒の画用紙、透明シート、ビーズ、リボンなどで、ほかにはさみ、セロテープなど工作用具です。工作のポイントは筒に入れる鏡の部分と見たい物を入れる場所、その中に入る物(オブジェ)の工夫です。どのように作るかは参加してのお楽しみです。



手作り万華鏡(上)と、その内部の様子

 

 ところで万華鏡はカレイドスコープ(KALEIDOSCOPE)と呼ばれています。ギリシャ語の「美しい」「形」「見る」から名づけられたそうです。1816年イギリスの物理学者でデーヴィット・ブルースターによって灯台の光をより遠くまで届かせるための鏡の組み合わせの研究や視覚と光の研究から発明され、日本には江戸時代に伝えられました。日本語では「百色眼鏡」などとも呼ばれますね。

 いろいろ工夫して自分だけのオリジナル万華鏡を作ってみませんか。展示ゾーン入館者は自由に体験できます。

 
 

(事業課展示情報係 大越 清美)

 

2003年5月29日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より