うずパワーの秘密
〜水や空気の流れ はっきりと〜

2003/06/27


 

 科学館の展望ロビーからトンネルをくぐり、らせん階段を下りた場所で、サイエンスショーを開催しているのをご存じですか? 今回は、6月のサイエンスショーの一部をご紹介しましょう。

 瀬戸内海の「なるとのうず潮」は、液体の水が作るうずです。私たちの身近でも、お風呂の排水口や洗濯機が回っているときなどに水のうずを見ることができますね。それでは、水のうずを作ってみましょう。

 


牛乳パックを使って雲を作ってみよう

 さて、ペットボトルから水を出すとき、逆さまにしただけでは水はなかなか出てきません。でも、ペットボトルの底のほうを上にしてぐるぐる回してやると水は、くるくるうずを作って勢いよく出て行きますね。なぜでしょう。

 ペットボトルを回すと、水の流れに横から力が加えられてうずが発生し、うずの中心に空気の穴ができます。その穴に下から空気が入り込み、上から中の水をうずとなって押し出すのです。

 

 次に、空気の「うず」について考えてみましょう。たばこを吸う方が、口をとがらせて、ほっぺをつつきドーナツのような煙を出すのを見たことがありませんか。あれが空気のうずで「うず輪」と呼ばれるものなのです。

 うず輪をよく観察するとドーナツの表面を取り巻くようにくるくると空気の流れができていることが分かります。サイエンスショーでは大きな段ボールを使って実験しておりますので、ぜひ、大きなうず輪をご覧ください。

 それでは、かわいい小さなドーナツ雲の作り方を紹介しましょう。1リットルの牛乳パックを2個用意します。1個の上部をカッターナイフで切り落とします。ふたにするために、もうひとつの牛乳パックの底から3分の1くらいを切り取り、底の中央に直径2センチメートルぐらいの穴をあけます。そして、先ほどのパックにふたをするようにかぶせて粘着テープでしっかり貼り付け出来上がりです。


たばこの煙でできたうず輪

 

 穴から、火のついた線香を数本差し込んで煙を入れます。煙が充満したなと思ったら線香を取り出し、パックの側面を両手でやさしくポンとたたいてみましょう。ドーナツ雲のうず輪がポッポッと飛び出してきます。これを空気砲と呼んでいますが、火気には十分注意してお楽しみください。線香の代わりにお湯の中にドライアイスを入れたものからも白い煙のようなものが出てきます。

 台風は、地球規模の大きな空気のうずです。身近なところでは、たばこの煙やにおいを空気のうずに巻き込んで除去するクリーンスペースに利用されています。

 
 

(事業課展示情報係 難波 泠)

 

2003年6月26日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より