新素材ってなあに?
〜日常生活の中にも浸透〜

2003/11/08


 

 科学館では、身の回りで使われている新素材でサイエンスショーとしてお見せしています。その中から、家庭でも簡単にできるものを二つご紹介します。

●紙おむつでマジック

 お母さんがこのマジックを子どもに見せてあげたら、きっと大喜びしますよ。

 


紙おむつと高吸水性ポリマー

 新しい紙おむつを分解します。すると、中から白い綿のような繊維が出てきて、振ると(目に入らないよう注意)白い粉がこぼれてきます。この中身を少し取り出して一つの紙コップの底のほうに詰め込みます。もう一つの紙コップは空にしておきます。

 両方のコップに半分くらい水を入れます。はじめに空だった紙コップをひっくり返すと水がこぼれます。次に、えいっと気合を入れてもう一つの紙コップをひっくり返すと、今度は、水が消えてしまってこぼれません。不思議だなと喜んでくれること間違いなしです。

 

 水が消えた秘密は、白い粉にあったのです。白い粉は、高吸水性ポリマーといって網目構造になっており、水が入ってくると網目が広げられ、自分の体積の何百倍もの水分を瞬時に吸収する力があります。この吸水膨張する性質を利用して、「土のう」の代替として洪水時の床下浸水を防ぐため活用されています。また、砂漠に植林する際の保水剤やスキー場の人工雪などさまざまな用途に用いられています。

●生卵でドキッと

 ノートパソコンの携帯用ケースを使います。このケースは、超弾性シートという最近開発が進んだ素材で作られています。

 このケースを敷いて、1メートルぐらい上から、生卵を落としてみましょう。「え?そんなことをしたら割れちゃうよ」と心配しますよね。でも、大丈夫。ケースに落ちても卵はわれません。ただし、ひびが入ってない卵を使ってください。


超弾性シートへの卵の落下

 

 ほかにも科学館では、「形状記憶合金」を使ったショーを行っています。これは、変形させた金属が、温度によって元の形に戻る性質を使ったものです。皆さんの身近にもたくさんの新素材が使われていますので、探してみると面白いのではないでしょうか。

 
 

(事業課展示情報係 難波 泠)

 

2003年11月6日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より