ペーパーブーメラン
〜人のいない室内で練習を〜

2004/05/14


 ブーメランといえば、オーストラリアに伝わる狩猟用の道具として知られています。最近では、多くの書物などで紙で作ったブーメランが紹介されています。でも、なかなか上手に飛ばすことは難しいようです。科学館でも実施したペーパーブーメランの作り方のコツを紹介します。

■ 紙の選び方 ■

 紙は作られるときの繊維の並び方で、「縦目」と「横目」の向きができます。紙を両手で軽く曲げてみてください。弾力が強く感じられる向きが「縦目」で、ブーメランの翼を作るときに、この向きが大切になってきます。

 

■ 作り方 ■

(1)

厚紙を用意して「図1」の@のようなサイズを3枚切り取ります。このとき翼の一方の端の中央に約1センチの切り込みをいれます。

(2)

3枚の翼の切り込みを組み合わせて「図1」のAのような形にして中央をホチキス止めします。このとき図の向きをブーメランの「上側」とします。

(3)

各翼を中央部に向かってやや右寄りのところに図1のBのように丸みをつけます。

(4)

最後に図1のCのように各翼を右上に軽くねじります。その際、翼をやや上にそらします。これでほぼ完成です。


完成品を飛ばすときの持ち方

■ 飛ばし方 ■

 人さし指と親指で軽くはさみます。このとき、ブーメランの「上側」が親指側になるようにしてください。(重要)また、人さし指に翼の先の角をひっかけると回転がよくなります。

 この形ができたら、顔のすぐ脇からブーメランを縦に切るように飛ばします。あとは感覚がつかめるまで練習あるのみです。

 このままだと回転する半径は2メートル程度ですが、翼の先端にビニールテープなどを巻いて調整すると回転半径は3〜4メートルくらいになります。

 ブーメランを飛ばすときは翼の角を丸くし、人がいない室内で練習しましょう。ブーメランが戻ってきたときは本当にうれしいですよ。

■ 科学の体感 ■

 今回は紹介できませんでしたが、紙で作るブーメランを研究すると、材料の科学や回転する物体の科学、そして飛行機などが浮上する原理など、さまざまな「科学」を体感することができます。

 つまりブーメランを飛ばせるようになると、君もちょっとした科学者になれるわけです。

※参考文献
 国立科学博物館編「ブーメランについて」(三枚翼ブーメラン製作キット解説書より)
 米村傳治郎「ブーメラン」工学院大学広報部編「おもしろ理科実験集2」(株)CMC

 
 

(事業課 岡田 努)

 

2004年5月13日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より