科学の広場

体を使った科学の実験 〜楽しく不思議な体験を〜

 もうすぐ楽しい夏休み!

 山や海など外に出掛けて体を動かす機会が多くなる季節ですね。そこで今回は体を使った科学の実験をご紹介しましょう。


イスを使って重心を知る方法

 
 実験は、お友達と2人でやってください。使う道具は、2人の体とイスだけです。まずは、お友達にイスに座ってもらいましょう。このとき、背中を真っすぐにして深く座ってもらうのがポイントです。座っているお友達の前に立って腕をのばし、人さし指をお友達のおでこに当てます。さあ、そのままでお友達に立ち上がってもらうように言いましょう。すると、どうしたことでしょう。お友達はどうしても立ち上がることができません。不思議ですね。

 イスに座った人が立ち上がろうとするとき、初めに上半身を前に傾けます。このとき、体の「重心」を前に移動しています。その後、足で床を押して体を持ち上げます。ところが、おでこを押さえられていると、この重心の移動ができないために、どうしても体を持ち上げることができないのです。ただし、ケガをするといけませんので、人さし指にはあまり力を入れすぎないでくださいね。

 重心とは、物の重さの中心のことです。丸いボールや四角いサイコロなどの簡単な(対称な)形だと、ズバリ真ん中が重心になっています。ところが、もっと複雑な(対称ではない)形だと、見た目の真ん中とは違うところに重心があります。例えば、野球のバットの重心は、長さの半分のところではなく、太い端に近い方にあります。指1本で支えたときに、バランスの取れるあたりが重心です。


野球のバットの重心を調べる方法

 
 野球のバットのような細長い棒の重心の探し方は簡単です。両手の人さし指の上に棒を乗せ、あとはその2本の指を近づけていくだけです。2本の指が合わさったところに重心があります。

 スペースパークの「サイエンススタジオ」は、夏休み期間限定で「カラダで科学でさいえんす」という内容で行います。筋肉、目、脳など、体全体を使った楽しく不思議な実験をご紹介します。私たちの体にはまだまだ不思議なことがたくさんあるようです。ぜひ、ご家族やお友達と一緒に実験してみてください。

 

(事業課 石原 裕子)

2007年7月12日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より