特大”目玉焼き型”の銀河系

2002/08/02


 夏の夜空は明るい星が並んでにぎやかです。 その中に、淡い光の帯が通っているのが見えたら、それが天の川です。夏の夜空を横切る天の川の流れは、北のカシオペヤ座から、頭上のはくちょう座を通り、南のさそり座まで続きます。
 ふれあい科学館のある郡山駅前では、残念ながら街明かりのために天の川は見えませんが、みなさんのところでは見えているでしょうか?

 


夏の天の川

 天の川がたくさんの星の集まりだという話は、どこかで聞いたことがあるでしょう。 ここだけに星が集まっているのには、理由があります。 星は宇宙にバラバラに散らばっているのではなく、あちこちに銀河という集まりを作って存在しています。 私たちの太陽系も、約二千億個の星が集まった銀河系の中にあります。

 銀河系は、中央が膨れた円盤で、ちょうど黄身が上下に出っ張った目玉焼きのような形をしています。 ただし、これは直径が約十万光年もある特大の目玉焼きです。 太陽系は円盤の端の方にあり、目玉焼きで言うと白身の中に埋もれている感じです。 ここから辺りを見渡すと、白身や特に黄身のある部分には星がたくさん見えるはずです。これが星の帯、つまり天の川として私たちを取り巻いて見えるのです。

 

 いつも中から見ている銀河系、たまには外から見てみたいですよね。 でも銀河系は大きすぎて、私たちは外へ出られそうにもありません。 そこで、銀河系に似ていると言われる、お隣のアンドロメダ銀河を望遠鏡で拡大して見てみましょう。 私たちの銀河系も、外からはこのように見えると考えられています。

 その他の銀河はどんな様子なのでしょうか? きっちりとした渦巻き模様を持ったもの、爆発を起こしガスを噴き出しているもの、他の銀河とぶつかって形が崩れてしまったものなど、さまざまです。 人間にもいろいろな顔や性格があるのと似ていますね。


アンドロメダ銀河(宇宙望遠鏡科学研究所
デジタイズド・スカイ・サーベイより)

 

 銀河は、私たちの地球に近いものから、はるか遠いものまであります。 平らな空に貼り付いているように見える宇宙にも奥行きがあることに気づくと、急に宇宙の広がりが感じられます。 そんなことを思いながら星空を眺めていると、なんだかわくわくしてきませんか?

(展示情報係 石原 裕子)

2002年7月30日 読売新聞福島版 「星のある風景」より