太陽系の仲間たち(1)
〜直径120億キロに広がる星たち〜

2003/07/09


 

 私たちの地球は太陽系と呼ばれる天体の集まりの一員です。これから4回にわたり、直径約120億キロに広がる太陽系の天体についてお話ししていきます。今回は、大小さまざまな太陽系の仲間たちをご紹介しましょう。

 太陽系で最も大きな天体は太陽です。直径は地球(直径約12800キロ)の約109倍もあります。太陽は太陽系の中で唯一自分で光り輝いている恒星(こうせい)です。この太陽を中心に、たくさんの天体が太陽の周りをまわっているのです。


木星の衛星ガニメデ。太陽系の中で最も大きな衛星で、めい王星より大きな天体です(提供・五藤光学研究所)

 

 そのうちの大きな天体を惑星と呼びます。最も大きな木星の直径は地球の約11倍ですが、冥王星は地球の6分の1ほどです。惑星については次回以降いろいろとご紹介します。

 惑星の周りをまわる衛星も太陽系の仲間です。地球は月という衛星を持っていますが、衛星を持たない惑星もあります。惑星の王様である木星は、たくさんの衛星を引き連れています。現在までに見つかっている60個以上の衛星は、直径が数十キロ程度の小さな衛星がほとんどですが、ガニメデ(直径約5300キロ)のようにめい王星よりも大きな衛星もあります。

 火星と木星の間には、小惑星という文字通り小さな惑星がたくさんあります。大きなものでも地球の10分の1ほどの大きさです。最近では太陽から最も遠い惑星であるめい王星の外側にも小惑星が見つかっています。

 太陽系のかなたからやってきて、美しい尾を見せてくれるほうき星(すい星)も太陽系の仲間です。太陽に近づくまでに、ほうき星はあちこちに小さなちりをまき散らしていきます。このようなちりが地球の大気とぶつかり光って見えるのが流れ星(流星)です。

 望遠鏡の発達などにより、太陽系の仲間たちはだんだんと発見されてきました。次回はこの惑星発見の歴史などをご紹介します。

 


1997年に太陽に接近したヘール・ボップすい星。青と黄色の美しい尾が印象的でした(提供・中野太郎氏)

 

(天文係 近藤 正宏)

2003年7月8日 福島民友新聞 「ふくしま星空散歩」より