太陽系の仲間たち(2)
〜1世紀に1つずつ惑星発見〜

2003/07/24


 

 前回は太陽系のいろいろな天体をご紹介しました。今回は惑星発見の歴史をお話しします。

 太陽から近い順に、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、めい王星と太陽系には全部で9個の惑星が見つかっています。太陽と地球は約1億5000万キロ離れており、最も外側のめい王星と太陽の平均距離は約60億キロもあります。

 


去年5月の惑星(と月)大集合。これら5惑星は
明るい星です。水星は写っていません。
(撮影・郡山市ふれあい科学館)

 このうち水星から土星までの地球を除く5つの惑星は、明るい星として見えるので、古くから知られていました。惑星は星座を構成する星の中を少しずつ移動していきます。古代(紀元前1700年ごろ)メソポタミアのカルデア人は、この惑星の動きを天からのメッセージと考え、それを読み取るため、惑星の動きを熱心に研究しました。これが占星術です。その後長い間、惑星といえばこれら5惑星という時代が続きました。

 土星の外側をまわる天王星が発見されたのは、1781年のことでした。イギリスのハーシェルは、自作の望遠鏡で夜空を眺めるうちに偶然天王星を発見したのです。

 その天王星の動きとニュートンの法則により計算された結果のずれから、天王星の外側に新たな惑星の存在が予想されました。そして新惑星探しの結果、1864年にフランスのルベリエとイギリスのアダムスにより海王星が発見されたのです。

 

 その後めい王星が発見されたのは1930年です。アメリカのトンボーが多くの写真乾板を根気良く調べた結果、その中に星空を動いていく暗い天体(めい王星)を見つけたのです。

 18世紀から20世紀にかけて、1世紀に1つずつ惑星が発見されてきました。果たしてこの21世紀にも新惑星が発見されるのでしょうか。

 さて次回からは2回にわたり、最近話題になっている火星についてご紹介していきます。


天王星を発見したW・ハーシェル。音楽家でも
ありました(提供・五藤光学研究所)

 

(天文係 近藤 正宏)

2003年7月22日 福島民友新聞 「ふくしま星空散歩」より