2003/09/12


 

 平成15年9月9日(火)に、月齢13の月と火星が夜空の中でとても接近して見られる現象が起こりました。中秋の名月の2日前であり、かつ火星が地球に大接近した直後ということで、話題にもなりました。科学館スタッフが撮影に成功しましたので、ご紹介しましょう。

 


雲がときどき流れてはきたものの、
現象をしっかりとらえられました

 9月9日夕方、科学館スタッフは雲の覆った空を見上げながら、この現象の撮影に出かけました。時間は過ぎて午後7時半すぎ、厚い雲の切れ間から、明るく輝く月とともに寄り添って光る火星の姿をとらえることができたのです! それまでの天気がうそのように、雲が切れていきました。

 

 月と火星の間の距離が一番近づいた時間は、福島県付近で計算したところ午後8時46分前後となりました。午後8時を過ぎると、月と火星の距離が近づき、パッと見ると、火星がどこにあるのかわからないほどでした。天体望遠鏡で見てみると、右の写真のように、明るい月のすぐ脇に、大接近中の火星の姿を見つけることができました。まだまだ大きく、火星南極の極冠が白く見え、表面の模様もわかりました。


大きな画像は、こちらをクリックしてください


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 左の写真は、月と火星の距離がほぼいちばん近くなったときの様子を見比べてみました。月の直径の5分の1以下にまで近づいた様子がよくわかります。

 時間が過ぎ、午後9時半近くになると、火星が再び月に寄り添って輝く様子が肉眼でも見られ、月と火星の間の距離が離れていくことが実感できました。なおロシアでは、月が火星を覆い隠す「火星食」とういう現象になりました。

 

望遠鏡で火星や月を見たい方は、「火星大観望会」にぜひご参加ください!