宇宙での生活
〜不思議で面白い無重力〜

2005/05/11
　 　

　前回は人間が宇宙の環境から身を守るための宇宙服についてご紹介しました。今回は、宇宙での生活がどのようなものなのかをご紹介しましょう。

　

 　 　


スペースシャトルの中で回転する毛利宇宙飛行士
(C)JAXA

　スペースシャトルや国際宇宙ステーションの中は、空気があり、宇宙線なども防いでくれますので宇宙服は必要ありません。しかし、地上とは決定的に異なることが一つあります。それは、無重力状態になることです。このおかげで、宇宙飛行士は写真のように「ふわっと」浮いた状態になります。逆さまになっても大丈夫です！ 壁を少し押せば、ぶつかるまで「す〜っと」進んで行くことができます。ですから力もほとんどいりません。宇宙船の中を自由に飛んでいくことができるのです。
　

　宇宙での生活は楽しそうですが、大変なこともあります。例えば、力をほとんど使わないために、宇宙で長い間生活すると筋肉が弱ってきてしまい、重力のある地球に戻ったときに動けなくなってしまいます。そのために毎日何時間も筋肉トレーニングをしなくてはならないのです。また、寝るときはどこかに体を固定しておかないと、あちこちにぶつかってしまいます。寝相の悪い人は要注意です！


無重力の宇宙では水はまん丸になります
(C)JAXA
　
　

　他にも不思議なことがおこります。無重力では水は写真のようにまん丸になって、ぷかぷかと浮いてしまうのです。食事をするときは、スープやソースが周りに飛び散らないように注意しなくてはなりません。宇宙でも安心して食べられるように工夫されているのが宇宙食です。現在では色々と改良されており、なんとラーメンもあるのだそうです！ もちろんトイレも特製で、足を固定するベルトや吸引用のホースなどがついています。なんだか色々面白い事が起こりそうですね！

　さて、次回は宇宙へ行くためのロケット・スペースシャトルについてご紹介しましょう。

　
　 　

（事業課 近藤 正宏）
　 　 　

2005年5月10日 福島民友新聞 「ふくしま星空散歩」より