アインシュタインに迫る(3)
〜科学の概念大きく変える〜

2005/09/28


   

 アインシュタインは、特殊相対性理論を発表してから10年たった1915年に「一般相対性理論」を完成させ、翌年発表しました。特殊相対性理論は、いわば「条件つき」の理論でしたが、「すべての物理法則は、任意の座標系において、いつも同じ形で表される」という原理のもと、加速度を含めたより一般的に成立する理論として発展させたのです。

 一般相対性理論の中で重要なのは「等価原理」という、重力と加速度は同等のものであるという考えです。そして、重力を時空のゆがみがもたらす現象と捉え、これにより時間・空間・物質を統一的に考えることができるようになったのです。

 

   


ブラックホールの強い重力により、光が曲げられることで、本来とは異なった姿で見られるようになります
(C) GOTO

 なかなか、原理の話だけではわかりにくいので、ここでは、一般相対性理論をもとに考えられる、「重力レンズ」という現象について紹介しましょう。

 ブラックホールのようなとても重い物体の手前に宇宙船があったとします(写真上)。もし宇宙船から見て、ブラックホールの後ろに渦巻の銀河があったとすると、銀河からの光がブラックホール近くで曲げられ、本来とはまったく違った形の銀河として見られるようになります。

 

  このような現象はいくつも確認されています。銀河が多く集まっている銀河団でも強い重力のため、その後ろにある銀河がゆがんで見られるのです(写真下)。

 この重力レンズという現象は、形をゆがませるだけではなく、まさにレンズのように重力が働くことで、遠くの天体を明るく見せたり、拡大したりするため、遠方の天体の研究に役立てられると期待されています。次回は、身近な場所で役立てられているアインシュタインの理論をご紹介しましょう。


銀河団による重力レンズ現象。写真の左部分などに、アーチ状にゆがんだ形の天体(銀河)があることがわかります。

 

(事業課 安藤 享平)

     

2005年9月27日 福島民友新聞 「ふくしま星空散歩」より