星の広場

世界天文年 宇宙の魅力(2)「月を見てみよう」

 月は毎日、形や位置を変えていきます。今月は日食があった22日が新月で、この日から徐々に月が満ちていきます。新月の次の日の月は太陽に近く、また非常に細いため、見つけるのはかなり困難ですが、数日たてば、細く美しい月を見つけることができることでしょう。新月から何日目に見つけられるか、夕方になったら、西の空に月の姿をさがしてみてください。



次の満月は8月6日。ぜひ模様を見てください。
(国立天文台提供)

 
 今から400年前、ガリレオは自作の望遠鏡で月を眺め、その表面に凸凹の地形があることを発見しました。当時の考えでは、月が属する天上界は、神々の住む完全な世界であり、月は水晶のようなものでできていて、表面はツルツルであると考えられていました。ところが、月の表面は地球と同じように山や谷などの地形が広がり、完全な球体ではなかったのです。ガリレオは、大きな驚きとともに、月の表面の「クレーター」と呼ばれる穴や、比較的暗い月面の「海」と呼ばれる部分をスケッチしたり、山の高さを計算したりしました。こうして、ガリレオによって、新たな宇宙への扉が開かれていったのです。これを記念して、今年は世界天文年と定められています。

 さて、月の海は、地球のように水があるわけではなく、クレーターが少ない比較的平らな場所です。満月を見た時に、黒っぽく見える部分が、海にあたります。一方、白っぽく見える部分は「陸」と呼ばれています。

 月の表面に見える海と陸の模様を、昔の人々は餅をつくウサギや、女性の横顔などさまざまなものになぞらえてきました。皆さんには、何に見えるでしょうか?

 8月1日 午後7時30分からJR郡山駅前で観望会を行います。ぜひ、望遠鏡で月を眺め、ガリレオの驚きを体験してみてください。 


 
(郡山市ふれあい科学館 事業課 近藤 正宏)

2009年7月23日 福島民友新聞 郡山版「世界天文年 宇宙の魅力」より