星の広場

世界天文年 宇宙の魅力(9)「木星に注目しよう」

 29日に紹介した土星が西の空に沈むころ、選手交代と言わんばかりに、東の空から明るい星が昇ってきます。それが木星です。

 ガリレオは1610年1月に自作の望遠鏡で木星を見ました。そして、木星の周りに四つの星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)を発見しました。その後、ガリレオはその様子を繰り返し観察し、記録をしました。こうして、これら四つの星は木星の周りを回っている衛星であることに気が付きました。当時は、地球が宇宙の中心であり、夜空の星をはじめ、太陽や惑星もすべて地球の周りを回っていると信じられていたので、木星を中心とする星を見つけたことは驚くべき発見だったことでしょう。



木星とガリレオ衛星 (C)国立天文台

 
 現在のより大きな望遠鏡で木星を見てみると、木星にはきれいなしま模様があることが分かります。さらに、「大赤斑(だいせきはん)」と呼ばれる赤い目玉のような姿も見つかります。これは地球2個半ほどもある木星の巨大な台風です。また、ガリレオが発見した四つの衛星(これらをガリレオ衛星と言います)以外にも、木星には全部で63個(平成21年理科年表より)の衛星が見つかっています。

 30日の木星は夜8時ごろ東から昇り、夜中に南の空高くに見えます。秋から冬になると、夜8時では南から西へと移っていきます。これからしばらくは木星の輝く姿が楽しめそうですね。できれば、小さな望遠鏡でも良いので木星にむけてみてください。ガリレオが発見した四つの衛星がわかるかもしれません。このようなガリレオが見た宇宙の姿を体験する企画が世界中で行われています。明日はそんな世界天文年の企画についてご紹介します。


 
(郡山市ふれあい科学館 事業課 水谷 有宏)

2009年7月30日 福島民友新聞 郡山版「世界天文年 宇宙の魅力」より