宵空の皆既月食 (2007/08/28 天文グループ撮影)

 福島県内では天候が思わしくなく、見られる確率が低いため、晴れ間を求めて山形県庄内空港付近まで足を伸ばしました。

 幸い天候は快晴に近く、月食の全過程を観測することができました。今回の皆既中の月は、今まで観測した中で最も明るく、地球の大気の混濁度が低いのが確認できました。( 混濁度は火山噴火などがあると高くなる)

 前回、日本で皆既月食が見られたのは2004年5月5日でしたが、全国で見られるのは2001年1月10日以来、6年半ぶりのことでした。

 次回の皆既月食は、およそ4年半後の2011年の12月10日になります。

撮影: 齋藤 正一・渡邊 喜作
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2007年8月28日 19時37分 (食の最大の時) 山形県庄内空港付近にて撮影

【月食とは】

 月食は、太陽からの光によってできた地球の影の中を月が通過するときに見られる現象です。つまり、太陽・地球・月が一直線にならんだ時に見られるものなので、つねに月は満月ということになります。

 地球の軌道と月の軌道はぴったり重なっているわけではないので、満月のたびに月食がおきることはありません。また、本影と月の通り道も一定ではなく、ときには月の一部が本影をかすめたり(部分月食)、月全体が本影にすっぽりつつまれたり(皆既月食)します。

 皆既月食になると、月は地球の本影の中に入ってしまいますが、完全に暗くなってしまうわけではなく、わずかに赤味をおびて見えます。これは、地球の大気層を通過した赤い光が月面をわずかに照らすためです。大気が混濁していると暗い皆既 月食となり、大気の混濁度が分かります。