星の広場

世界天文年、来月からガリレオ展

 今年は、「世界天文年」という記念すべき年であることを知っていますか?

 世界天文年にちなんだイベントは、日本だけではなく全世界で行われています。今初めて聞いた方もまだ遅くはありません。科学館では11月から「世界天文年2009 〜ガリレオの世界を体験しよう〜」を開催します。参加して世界天文年を楽しんでみましょう。

 なぜ今年は世界天文年なのか?

 それは、イタリアの科学者であるガリレオ・ガリレイ(以下「ガリレオ」)が、望遠鏡を使って星空を観測してから400年たった記念すべき年だからです。



ガリレオが作った望遠鏡(複製品)

〜ガリレオが見た宇宙〜

 ガリレオは、望遠鏡を使って月、木星、土星、金星そして太陽(※危険ですので望遠鏡では太陽を見ないでください)などを観測しました。今では、月の表面にはクレーターがありボコボコしていると知られていますが、当時は表面が滑らかな球体だと思われていました。観測によって地球と同じように山や谷があることを見つけました。

 木星の観測では、木星の周りを回る4つの衛星を見つけ、同じく土星にも2つの衛星を発見しました。金星の観測では、金星が月のように満ち欠けをすることや大きさが変化すること、そして自ら発光せず太陽の周りを回っていることを発見しました。太陽の観測では、黒点を発見し、その形や位置が変わることも発見しました。

 これらの発見から、当時信じられていた地球が宇宙の中心で、太陽や星が地球の周りを回っている「天動説」ではなく地球が太陽の周りを回っているという「地動説」が正しいことを確信していくのですが、当時の人々には受け入れられませんでした。



望遠鏡をのぞくガリレオ
(イラスト・高部哲也)

〜ガリレオの望遠鏡〜

 土星はきれいな環がある惑星であることはよく知られていますが、ガリレオには星が3つ集まったように見えました。

 望遠鏡には、凸レンズと凹レンズを組み合わせたガリレオ(オランダ)式望遠鏡と凸レンズを2枚組み合せたケプラー式望遠鏡、レンズと凹面鏡を組み合わせた反射式望遠鏡があります。皆さんがよく見かける望遠鏡はケプラー式の望遠鏡で、見ると見た物が逆さまに見えます。ガリレオ式望遠鏡は、拡大されたものがそのまま(正立)見えるのですが倍率を上げると視野が狭くなる欠点があり、天体の観測には向いていません。このようなガリレオの望遠鏡では視野や解像度が低かったため土星の環は見えず3つの星が連なっているように見えたのでした。

 望遠鏡によって見え方はどのように違うのでしょうか?

 企画展では、3種類の望遠鏡の展示とガリレオが作った望遠鏡の複製品を展示します。実際にのぞいて見ることができる時間もありますのでガリレオの見た世界を体験してみましょう。


〜ガリレオの実験〜

 ガリレオは天体の観測だけではなく、振り子の実験や、物体の落下などの実験も行っています。企画展ではこれらのガリレオの実験も紹介します。

 11月は、世界天文年のきっかけとなったガリレオの世界を宇宙劇場と展示ゾーンの科学館全体で特集しますのでぜひご体験ください。

【全館企画】世界天文年2009 〜ガリレオの世界を体験しよう〜

 
(事業課 鈴木 典秋)

2009年10月22日 福島民報新聞 情報ナビ[たいむ] 「スペースパーク便り」より